VIAGGI

SiciliaGiugno 2005

船からのアプローチってステキですねぇ
船からのアプローチってステキですねぇ

スンスン。
船室で目が覚めると、遠くでウサン臭いニオイがする。スンスン。甲板へ出てみると朝陽に輝くナポリの港が近づいている。ウサン臭いがそれでも多くの人を魅了して止まない街ナポリに到着したのだ!

ナポリは一年半前に訪れ、治安が悪い・汚い・うるさいなどの前評判に反していたく気に入ってしまった街なのだ。リストランテの兄ちゃんも仕事熱心ではないからか、2本目の酒の勘定を付け忘れるという嬉しいハプニング(しかも2回)もそれを後押ししている。

朝7時に船からポイと降ろされたにも関わらず、駅で荷物を預けバールで朝食を取り、スパッカナポリを散策してるうちに街が機能する時間となってきた。

チェーンのインテリア用品店で、持ち手の短い小柄なグラスを見つける。トラットリアでカジュアルにヴィーノを飲む時のヤツだ!コレが欲しかったのだ~と即お買い上げ。カーニボンは新しいコルク抜きを狙っているようで、ステキな金物屋でひとつゲット。

やあ、洗濯物がはためいておりますねぇ〜
やあ、洗濯物がはためいておりますねぇ〜

ガッレリア付近のメインストリートであるトレド通りは、平日にも関わらず凄い人。

「ナポリに来たらバーバを食さずにどうします」とイチゴと生クリームで飾られた一品を家臣にたかる。家臣はアランチーニの中身をマカロニにしたような「フリッタティーナ」という揚げモノを歩きもってもっさもっさしている。カーニボいわく「カプッと噛むと、口の中がマカロニ祭り状態、ぷにぷにした食感がたまりませんっーーー」だそうな。

今度はワタクシの鼻が利き、激安おべべ屋を発見。モソモソあさっていると「アナタハ ニホンジン デスカ?」と近づくシニョリーナが。「そんなようなもんです」と答えると、嬉しそうにそのシニョリーナは、文化・歴史に興味があるため日本語を勉強している、日本の友達が沢山いる、旅費が高いので日本へは一度も行った事がない、など一気にまくしたて去っていった。ガイジンを見つけて自分から積極的に話しかける姿勢は見習わねば。

そうそう、オベベを選んでるんでしたと気に入ったステキな一枚を店主へ差し出すと「ウネ~~ウロ(un euro)!」。なんとたったの1ユーロ(138円)!ビバ!ナポリ!

前回晩メシを食した『IRIS』という駅前通りのリストランテで昼メシをば。ここはヴォンゴレがンマく再訪を渇望していたのだ。カーニボンはカルボナーラ、ワタクシはお気に入りのヴォンゴレロッソをご注文。前回ここで出会った流暢な日本語をあやつるカメリエーレの姿がないのが残念。

インサラータをつつき、冷えたオヤジビッラをごっきゅん、ごっきゅん。ピヒャ~。太陽の下のビッラは最高に爽やかですなぁ!これがイタリア最後の食事だと思うと切なくて喉も通らない。。。ワケはなく、実に美味しくいただく。

さあさ、お名残惜しいが今夜ローマ発の飛行機で帰路につくためナポリを出発せねば。帰りは我々にとって未曾有の豪華な交通機関、ES*(エウロスターイタリア)。車内は人と荷物で車内はぎゅうぎゅう。しかもみんな指定席なのにテキトーな場所に座っているのだから、当然混乱が生じる。「いいか、みんな」と、あるオヤジが指揮を取り、席替え大作戦は無事終了。疲れも手伝って軽い眠りに落ちる。

ローマはテルミニ駅着~。空港へ向かう前にまず立ち寄るべきは、前回ナゾの閉店をしていたスペルメルカート(スーパー)『CONAD』だ。広い店舗に移ったのかと踏んでいたらやはりそうだった。店内は広く新しく、陳列も若干シャレている。ここで現地でしか調達できないものを買いあさろう。

まずは日本では2千円は下らないフォルマッジョの塊と、CONAD印のショートパスタ、『SASSO』のオリーブオイル缶も。呑んべえカーニボンはグラッパなんかもせっせとカゴに放り込んでいる。これも日本で買うと3千円は下らない一品か。まったくイタリアは買い物天国でございますなぁ。

・・・買い物に熱を入れすぎたか、空港行き列車に遅れ、「あなたたちが最後、悪く思わないで」とチェックインカウンターのシニョーラに席をバラバラにされ、空港で最後の買い物に興じる時間もなかったコロナ隊に幸あれ。もっと言えば「ワタクシどもはコロナ王国から参りました女王と家臣でございます。頼むから席(ド真ん中の最悪な席)を替わってくださいまし」という無理な要求に快く応じてくれたベルギー人のシニョリーナに幸あれ。また来年行くから待っててくれイタ~リア!