Viaggi

ToscanaMaggio 2008

チュンチュンチュン~

少々早めにローマの曇り空の朝を迎える。本日は早朝のプルマン(長距離バス)で世界遺産の歴史地区を持つシエナへ移動するのだ。近隣のフィレンツェと中世からの因縁が続くというこの街には、世界一美しいと呼ばれる広場がある。同時に、イタリア車に関して数々の著書を持つ、大矢・ロレンツォ・アキオさまのお住まいもシエナで、フィレンツェほどメジャーではなだろうがコロナ隊にとっては非常に意味のある行脚であった。

「カーニボン、まったくもって腹が減りましたぁ」「ミヅーラさまは寝てる時と食べてる時以外、いつもそうおっしゃる」そんな会話をしつつ、バスターミナル到着。

本日の朝食は車中でもっさもっさしようと昨日お買いもとめしておいたピザパン。「ドゥエ・セッターンタ(2.70ユーロ)」と言った後で、ボソっと日本語で「ニジュウシチ」と付け足した売店のオッチャンからお飲み物を追加購入。

ミヅーラさま、それはおくつろぎすぎでは・・・
ミヅーラさま、それはおくつろぎすぎでは・・・

さて、時間通りに現れたプルマンはブロォォォ~!と狭い市街を恐ろしいスピードで出発し始めた。座席のシートベルト着用はこの国にこそ必要だ。

とは言え空腹が満たされるとその揺れも揺りかごのように感じ、ガラガラの車内で横になっているうちに3時間の旅も苦なく目的地シエナへ到着できた。時計を見ると、むむ?!予定時刻よりも20分も早い!やるな運ちゃん!

到着したシエナは晩秋のような寒さで「ミヅーラさま、お一人だけエラい薄着で」と、周囲から浮きまくるワタクシにカーニボンは眉をひそめる。確かにコートなんぞ着てる人もいる・・・。昨年の行脚はこの時期で殺人的に暑かったが、なんたる気温の差か。

お宿目指し、どのパーツを取っても絵になる中世な目抜き通りをカッポしているところへカーニボンが突如「ミヅーラさま、あれでは!」。見ると、トンネルの向こうに目を奪う光景が。『狭いトンネルで一旦視野を絞ってから広げることによりドラマ性を演出』しているという世界一美しいカンポ広場が!

扇状に広がり、支点部分に市庁舎・マンジャの塔が配されたカンポ広場は排水を考えたかのようにマンジャの塔に向かってゆるい傾斜が作られ、野外ステージを見渡す感覚。しばし見入り、当のお宿にチェックインしてから街を散策。

人影もまばらな朝のカンポ広場。ここが後の催しで押すな押すなの大盛況に
人影もまばらな朝のカンポ広場。ここが後の催しで押すな押すなの大盛況に

昔F1レーサーでアレッサンドロ・ナニーニという伊達男がいたが、彼の一族が経営するという『ナンニーニ』なるバールがここらでは幅をきかせており「せっかくですから」と、地方の街では珍しい自動ドア式の一軒に潜入。

きらびやかで一瞬入るのをためらうが、よくよく見るとその店が地元に馴染みであるのが子供からジイさんまでの幅広い客層で見てとれる。ラッテマキアートとコルネットをもっさもっさし、更に街をカッポ。お日様が照りだした土曜の街は人で溢れてきている。

ナンニーニさまんトコは飾り窓も豪勢ですねぇ、ミヅーラさまぁ
ナンニーニさまんトコは飾り窓も豪勢ですねぇ、ミヅーラさまぁ

再びカンポ広場に赴くと、カーニがそわそわしだした。「ミヅーラさま、なにやら『1000 Miglia』と書かれたスタッフジャンパーをお召しになってる方々が・・・」

確かに首からIDカードをぶら下げた運営委員らしき人物や、プロ仕様なカメラを持ったプレス風情の人物までいる。そこで関係者らしきジイさんに「今日は1000Migliaでございますか?」と訊ねると「せやで~」。ひぇぇぇ!!偶然にも1000 Migliaにぶち当たっていたのだぁ~~!!

・・・先ほどから連呼している『ミッレ・ミーリア』と呼ばれるこの催し、説明とその模様は後でお届けするとして、まずはプッブリコ宮からそびえるマンジャの塔に登ってみよう。

「マニアには垂涎の的、かのミッレミーリアですぅ!」「カーニボン、頼みますから首を締めないでくださいましぃ」
「マニアには垂涎の的、かのミッレミーリアですぅ!」
「カーニボン、頼みますから首を締めないでくださいましぃ」

一度に入る人数が制御されており、閉所恐怖症なら入り口で断念するだろう高さ102メートルの狭い塔内部。降りる人・登る人が階段を譲り合って進み「どうぞどうぞ」「どもども」などと交わされる会話は、どこか登山者同士の挨拶みたいで気分がいい。

らせん状の石階段を登り詰めた頂上からは、カンポ広場が扇状に広がっているのが確認でき、左手向こうにはドゥオーモ、そして街から離れた鉄道駅まで見渡すことができる。背後へ視線を移すと、絵はがきのようなトスカーナ的農村風景が広がっており、その平和で牧歌的な風景をしばし満喫したあと下界へと降りたのだった。

エメンタールチーズの穴から顔を出すジェリーの気持ちがわかる塔内部の窓
エメンタールチーズの穴から顔を出すジェリーの気持ちがわかる塔内部の窓
どうやってこんな高い建物が昔に作れたのか
どうやってこんな高い建物が昔に作れたのか

さて、そのいわゆる『下界』では、心躍る催しの主役を今か今かと民衆が待ちわびている状態だった。そう、ミッレ・ミーリアだぁ!!

ミッレミリア ~Mille Miglia~

1927年から1957年の間に行われた伝説的な自動車レースで、現在ではクラシックカーレースとして毎年5月に開催されております。イタリア北部の都市「ブレシア」を出発し、「ローマ」まで南下。そしてまた北上し、「ブレシア」へ戻るというルートで、1000マイル(Mille Miglia=ミッレミリア)走ることから名づけられたとのこと。。。
みなさま、カーニボンでございます。

今回は、ミッレミリア観戦というステキな偶然に見舞われましたぁ~。シエナの街を歩いていると、壁に「ミッレミリア」の小さな看板が貼ってあるのに気付きました。「年中、貼りっぱなしなのかしら」と、さほど気にしておりませんでした。。。

カンポ広場に出ると、なにやらイベント準備をしている様子・・・そしてそこに、「ミッレミリア」の文字が躍っているではありませんか!!ま、まさかと思っておりましたら、なんとぉ、今日がレース当日ではありませんかぁ!!!

続々とクラシックカーがやってまいりますぞ~
続々とクラシックカーがやってまいりますぞ~
座席は相当狭小スペースですぞ
座席は相当狭小スペースですぞ

車の到着を待っておりますと、新しいベンツがやって来て、「ミッレミリア」と書いた小っちゃな旗を配り始めました。どうやら、これで場を盛り上げろということのようです。その後、別の車がやって来て、今度は「ミッレミリア・ハンカチ」を気前よく配り始めました。いや~、気前いいですねぇ~。。。(2枚頂いちゃいましたぁ)

そしていよいよ、爆音を轟かせて、白黒の映像でしか見られないようなクラッシク車たちがやってまりました。古すぎて、車名が分からない車が多い中、見覚えがある車がやってまいりました。おぉ、「ムルティプラ(古)」ではありませんかぁ~!ムルさんは、イタリアでも人気らしく、周りの方々も「Multipla~」と興奮気味でした。

どっちが前か後ろか分かりにくいムルさん
どっちが前か後ろか分かりにくいムルさん

エンジンを吹かしたり、クラクションを鳴らすなどサービスしながら、車はどんどんやって来ます。(クラクションは、なぜかヤギの声みたいな音がして愉快です)と、その時、一台のパトカーに観客がざわめき始めました。なんとぉ、「ランボルギーニ・ガヤルド」パトカーでは、ありませんかぁ!!(ランボルギーニ社よりイタリア警察に寄贈されたものらしい)これには、大の大人達も大興奮で、写真の撮り合いになっておりました。。。

本来カネの匂いしかしないランボルギーニさま
本来カネの匂いしかしないランボルギーニさま

中世の街並みにクラシックな車たち・・・とても絵になりますなぁ~

「ミヅーラさま、そろそろ昼食でも」家臣カーニボンが促すので「カーニは本当に喰いしんボンですねぇ」と重い腰を上げ(ウソ)見つけたピッツェリアに入る。のどが渇いたのでこれまた仕方なく(ウソ)ビッラを注文、カーニはピリ辛サラーメ、ワタクシはキヤンティ風なる、具の想像がつかないが地のものっぽいピッツァをそれぞれもっさもっさ。これは夕食は控えめにせねばと決心させる満腹加減で店を出る。ゲフ。膨れた腹をかかえ、まだレトロな車が走行する市街をカッポカッポ。

オヤジビッラ『Moretti』と塩とタダでもらったmille migliaの旗
オヤジビッラ『Moretti』と塩とタダでもらったmille migliaの旗

「ミヅーラさま、この後のご公務は、スペルメルカートにてお土産購入、そして国立エノテカで1杯いただく、となってございます」優秀な家臣カーニボンにそう促されたかどうかは忘れたが、エラい遠いと思ってたら実はぐるっと遠回りをしてただけでバス停のすぐ横だったエノテカに到着。

暗く高級そうな内装で「追い出されないでしょうか・・・」と危惧するも、赤ヴィーノ『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』をいただけることに。バローロさまのようなガツン感は感じられずも、美味しくいただく。

石造りの重厚でモダンな建物だけに入るのにビビる
石造りの重厚でモダンな建物だけに入るのにビビる

いい気分でカンポ広場に戻ると、多くの人々がレンガ敷きのゆるい傾斜に腰を下ろしくつろいでいる。ブラスバンド隊の演奏に聴き入る人や敷物を広げピクニックを楽しんでいる男女、地べたにゴロ寝してるヒッピーな若者など、これほどこぞって人が座り込む広場も珍しいものだ。我々コロナ隊も腰を下ろし、しばしその自由な空気を楽しんだ。

夜、遅いシエスタからムクっと目覚め、カーニボンが頭の羽にブラシを当てながら「ミヅーラさま、そろそろお食事でも」。ロンプラ先生でご紹介いただいた1件に潜入し、相席の大テーブルに通されると、続々お2組さまずつが「こんばんわ」など言いながら着席してくる。

カーニボンは地のもの狙いで、『Pici(ピチ)』というパスタにフンギを、ワタクシは歯ごたえがあり美味なラグーのパスタをいただく。ブタとイモをローストしたセコンドも素朴にンマい!

素焼きのような皿が田舎風で意外に量がありました。ゲフ
素焼きのような皿が田舎風で意外に量がありました。ゲフ

膨らんだ腹を抱え、宿へ戻る前に小雨の中カンポ広場へ寄ってみる。ライトアップされたマンジャの塔の下の市庁舎からズンドコズンドコ聞こえてくるため潜入してみると、中では重低音な音楽が鳴り響き、若者向けのバーが展開していた。

13世紀の歴史ある建物の中でこんな現代的な催しものが開かれるとは。酔っ払って壊すヤツはいないのか。崇めるだけでなく市民が活用し、その融合が些かの違和感も感じさせない。「まさに温故知新ですねぇ」などと話し合ったかどうかは忘れたが、ジェラート舐め舐め狭い小路を宿に向かって歩いた。

相当な大音量でイベントを前面に押し出してやした
相当な大音量でイベントを前面に押し出してやした