VIAGGI

ToscanaMaggio 2008

チュンチュンチュン~

動きが妙にしなやかな親子のお宿が非常にキレイで居心地よく、十分な睡眠が取れた。これだけ快適なお宿、もっとゆっくりしたかったですねぇ。

さて、フィレンツェからミラノは距離があるため、早朝のエウロスタ~で発たねば。駅のバールでブリオッシュとラテマキアートをもっさもっさし、めったに利用しないお高い列車へ乗り込む。券購入の際、隣席を指定し忘れ一時離散となり、早朝出発のわりに目が覚めてヒマな三時間弱の旅を強いられる。

「イタリアもこんなにペカペカなラッピング電車があるんですねぇ」Greciaとあるのでギリシャ旅行を促す広告か
「イタリアもこんなにペカペカなラッピング電車があるんですねぇ」
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ガタンオトン・・・ガタンオトン・・・と、列車は4年前に訪れたボローニャ、バルサミコ酢で有名なモデナ、プロシュット・クルードをいつか食しに行きましょうと誓ったパルマを経由。

地方都市を経由したのち、ようやっと今回の最終地ミラノへ〜
地方都市を経由したのち、ようやっと今回の最終地ミラノへ〜

さて、ドーム型の屋根がいかにも欧州っぽい駅に降り立ち、まずは狙っていたお宿へ向かう。「アットホームが売りの」とロンプラ先生ご紹介の割にさして和やかな空気もないが、空きがあるというのでまずチェックイン。「ミヅーラさま」家臣がモジモジしだす。「ワタクシめはぁ、FIATショップに行きたいのですがぁ」

羽家臣が出発前から連呼していたそのFIATショップとは、ミラノにしかないらしいグッズ屋で、イタリアでもレアな代物を多数販売しているようだ。立ち寄ってみるとあいにく午後からの営業で閉まっている。

「カーニボン、まったくもって腹が減r(以下略)」「ミヅーラさまは寝てる時t(以下略)」ということで、ドゥオーモ付近でセルフ方式お食事どころ『Autogrill(アウトグリル)』へカーニボンを拉致。

セルフ方式は食べたいものが目視でき明朗会計で非常に便利。この類の店はアンティパストから始まりプリモ、セコンド、ドルチェ、果物やらリゾットコーナーなど、スタンプラリーのごとくチェックポイントが点在して実に楽しい。フォルマッジョがふんだんに絡んだリゾットと鶏肉グリルのインサラータ、そしてビッラをかっこむワタクシを「あさましいですねぇ」と横目で見つつ、ロースト豚肉、クリームソースのペンネ、ビッラを流し込むカーニボン。ゲフッ、喰った喰った。

一応有名どころのガッレリアなんぞも訪問
一応有名どころのガッレリアなんぞも訪問
コロナ隊には一生縁のないハイブランド屋さんがいっぱい
コロナ隊には一生縁のないハイブランド屋さんがいっぱい
スーツをビシッと決めてるミラネーゼが多いような気がします
スーツをビシッと決めてるミラネーゼが多いような気がします

「そろそろお土産を」とスペルメルカートへ潜入。空港の定番商品もお値段がお安めで、袋にガサっと入ったサブレの土産なら200円以下で済む。チューブのアンチョビ、レンジでチンするパスタソースなど便利商品も目白押しで、ワタクシなんぞは奇声をあげて走り回りそうである。

電気屋さんでミニチュア家電発見!イイお値段なので冷やす、回す、温めるはできる?
電気屋さんでミニチュア家電発見!イイお値段なので冷やす、回す、温めるはできる?

夕方再びFIATショップを訪問すると、中ではツギハギチンさんがお出迎え。グッズをガッツリ売っているというよりは、商品がまばらにショーケースに陳列されているアート空間をも楽しんでくれというコンセプトか。

しかし、そんなオサレ空間ゆえ「ワタクシは腕時計をお買い求めしとうございます」というカーニボンのささやかな夢も「1000ユーロです」というクールな店員の答えに撃沈したようだ。「それだけあればもう一回イタリア行脚ができますよ」と羽がうなだれるカーニを諭したかどうかは忘れたが、泣く泣くスピードメーター型壁掛け時計のみを購入。

意外と塗りが雑な暖色ツギハギチンさん
意外と塗りが雑な暖色ツギハギチンさん

「のどが渇きましたねぇ、カーニボン」「ミヅーラさまは呑んだくれている時以外、いつもそうおっしゃる」ってんで、夕暮れのカフェのテラス席でビッラをいただく。

今回の行脚は4泊6日という強行手段。もう明日の早朝はマルペンサ空港からヘルシンキを経由しお城に帰るのですねぇ。ミラノは空港利用の関係から宿を取っただけで、ワタクシとしては不要な滞在だが、中世の影が色濃いトスカーナの街を2つ訪問できて大満足。しかも偶然にもミッレ・ミーリアに遭遇できたとはなんたる幸運か。

FIATショップで涙を流したので水分補給をば
FIATショップで涙を流したので水分補給をば

よる8時~
狙っていたトラットリアに行ってみると「急遽お休みいただきます」の貼り紙が空腹なコロナ隊の前に!代案もなく、高額を覚悟でドゥオーモ近くのリストランテを探すこととする。「ワタクシはぁ、コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)をいただきとうございますぅ」というカーニと、呼び込みの激しい観光客目当な店で妥協することに。

それらの店に共通するのは、電飾された派手なメニュー看板を掲げていることだ。そして値段がクソ高いくせに、出てきたパスタが作り置きに熱いソースを絡めただけか妙に冷たい!そういや「お好みでどうぞ」のフォルマッジョすらテーブルにない。

「グゥッ~ドォ(Good)?」とヘラヘラ聞いてきやがるカメリエーラに「パスタは冷たいしアルデンテでもない」と仏頂面で放つ。リットル単位の価格を1瓶の価格と勘違いした痛恨のミスもあり、帰る頃には廃人のようなテンションに。「貴様がカツレツ喰いたい言うからこんな事になるんじゃい(怒)」なとどはこれっぽっちも思ってないですよ、と家臣に念押ししたかどうかは忘れたが、お部屋での宴会用にと買っておいたサラーメとビッラでささやかにイタリア最後の夜を締めくくった。