VIAGGI

UmbriaNovembre 2010

もっさ~~!!

早めにローマを発ったため「朝食は外の提携バールで」と渡された朝食チケットも使えず、早朝のIC(インターシティー)に揺られテルミニ駅でお買い求めした朝食を列車の座席で広げる。

「ミヅーラさまぁ、こんなのをオマケでくれましたぁ」カーニボンが袋からパニーノとお飲みもの、そしてオマケの甘いパーネを出す。はてと思いレシートを見ると、オマケと言いつつガッツリ勘定に入っておった。

「バ、バリューセットみたいなものですかねぇ、カーニボン」
「ミ、ミヅーラさま、どうぞ非常食としておあがりくださいぃ」

途中、最終日に訪れるオルヴィエートや、イタリアで3番目にデカいとされるトラジメーノ湖を通過し、間もなく乗り換え駅へ到着。

Terontolaなる街でお乗り換えですよぉ
Terontolaなる街でお乗り換えですよぉ
ツリーをパープルで統一するイカした店発見
ツリーをパープルで統一するイカした店発見

わずかな時間に駅のバールでカッフェ・ルンゴ(薄めのエスプレッソ)を一杯いただき、再度列車に揺られると、左手前方の高台に巨大な茶色の街が見えてきた。

「ミヅーラさま、あちらが目的地のペルージャでございますねぇ」
「そろそろ降りる準備をいたしましょう、カーニボン」

目的地に着いたらすぐお宿探し、が我々の通常のパターンだが、今回はここで数日トロッコ(レンタカー)を借り、モンテプルチアーノやノルチャなどの列車で行きづらい土地を訪問するのだぁ!駅前のHarzさまにて「予約していたかんむりと羽ですぅ。トロッコおひとつお貸しくださいなぁ」。

不法薬物所持で牢屋入りなすってたマーシーさまに瓜二つなイタリア人が接客。カウンターで国際免許証を提示し、運転手追加や損害補償などのオプションの確認のあと、我々とマーシーさまで車体のキズチェック。「Buon Viaggio!」と握手を交わし、市街地脱出を家臣に命じたのであった。

しかし駅前の交通量、入念な車体チェックで傷をつけられないプレッシャー、そもそも高速までの道がようわからんお祭りさわぎでなかなか出発に踏み切れぬ。同じくレンタトロッコで発車を躊躇しているマダムたちに「お先にどうぞ!」と道を譲られ互いに手を振り別れる。さあ、家臣よ頼みますぞ!

みなさま、カーニボンでございます。
今回は、街から街への移動にトロッコ(お車)を活用いたしまして、その状況を綴らせていただきます。さて、予約したレンタトロッコ屋さんで一通りの説明を受け、外へ連れ出された目の前には、「フォード・KA」が停車しておりました。。。

カ:「えっ?、こちらですKA?」
店:「そうさ!フォードさ!」
っと、シャレに動じることもなくあっさりとしたご対応でした。「FIATじゃないのぉ~」っと、心で叫びつつ鍵を受け取ると、店員さんは、お車の周りをクルクルし、車体のキズを入念に確認しはじめましたぁ~
「すはっ、これでは、羽の毛一本のキズも許されないのでは!」っと、重圧感を抱きながら出発のはこびとなりましたです。。。

そろりとお車を動かして、本線に合流するも、「すはっ、車線がよくわかりませぬぅ!」っと、いつ逆走してもおかしくない状況なので、とりあえず前の車を追いかけることといたしました。。。道を間違え、ランドアバウトをクルクルしつつもなんとか高速道路に合流し、目的地に向け爆走開始です。

お車の操作にも慣れて、他のお車もバンバン追い抜きが出来るようになったころ、最寄の出口に到着。今度は、田舎道を駆け抜けますです。「あれ?そういえば料金所が無かったですねぇ」っと、不思議に思うもお金が浮いたので深く考えないことといたしました。

田舎道をボヘボヘ走り、本日の目的地に到着。城壁内の旧市街へ潜入でございます。っが、道幅は狭いわ、急勾配だわ、店は出っ張ってるわで、緊張の連続でございます。そうこうして、ホテルの前に無事駐車、本日の工程は完了でございます。

出発前に、店員さんが入念にキズの確認をされておりましたが、このお国では、羽の毛一本のキズも付けず走行するのは、非常に難しいのでは?っと思った所で、結びとさせていただきますぅ~

すはっ!カーニボンは安心のあまりまた油断してガス入りミネラル水を飲んだもよう
すはっ!カーニボンは安心のあまりまた油断してガス入りミネラル水を飲んだもよう

旅の新しい仲間・米国出身のFord(以後フォルさんとしよう)を快くお迎えしたことにして、モンテプルチアーノまでのすったもんだはカーニボにっきのとおりだが、城壁の中は入り組んだ路地のため、フォルさんを降りて道を尋ねなどしてようやくお宿を発見。

クランクのような坂道に駐車はキツかろう・・・
クランクのような坂道に駐車はキツかろう・・・

お宿のおっちゃんはミヅーラさまが「場所がわかりづらい」とブツブツいいながら独り現れたものだから、徒歩で来た客だと思ったのだろう。「なに、ホテルの前に停めてるのか?」と少し驚くと「ウチの車スペースに停めろ」と駐車許可証を発行してくれ、枠内にフォルさんを停めフロントガラスに紙を置けと指示した。

チェックイン後、おっちゃんによって案内された部屋は、ネットで一目ぼれしただけあって可愛いこと!温かみのある家具に清潔な床、そしてベッドにはウェルカムフルーツならぬウェルカム飴ちゃんがちりばめてある!おっちゃんは「きぇぇ!」と奇声をあげるミヅーラさまを満足げに見ておった。

「おや!ミヅーラさまもうおくつろぎに・・・」「いやぁ、乗ってるだけで肩が凝りましたぁ」
「おや!ミヅーラさまもうおくつろぎに・・・」
「いやぁ、乗ってるだけで肩が凝りましたぁ」
お宿近くの広場では市場が開催されてましたぁ
お宿近くの広場では市場が開催されてましたぁ
マニアにはたまらぬラインナップ(hshs)
マニアにはたまらぬラインナップ(hshs)

当初は近隣のヴィーノ名産地・モンタルチーノを訪問する予定だったが、「まあまあ、本日はこの街をゆっくり探訪しましょう」ということに。城壁に囲まれた街は想像以上に観光地の賑やかしさやナターレの楽しさで溢れている。

「カーニボン、ワタクシは安心して腹が減って死にそうですよぅ」
「ミヅーラさまは寝ている時と喰ってる時以外いつもそうおっしゃる」
ってんで、高台からの景色と上品な内装が素晴らしいというロンプラ先生ご推薦のリストランテへ潜入するも味の方は単調で、ガッカリしながら店を出る結果に。

店内の様子。毎回メシ写真がないのはコロオリ七不思議
店内の様子。毎回メシ写真がないのはコロオリ七不思議

「この先の公務はどうなっていますか、カーニボン?」
「はぃぃ、例のごとく庶民の生活を垣間見るためにスペルメルカートへ潜入しまして、その後はナターレの雰囲気をなんとなく味わう、となってございますぅ」

モンテプルチアーノはヴィーノだけが目当てだったが、なかなかどうして城壁内にはステキな店たちがひしめきあって、歩いているだけでも楽しい。フラリと寄ったヴィーノ屋さんのおネエさんは愛想がよく、次々と味見をさせてもらったあと、この地方のグラッパをお買い求め。

わあ、キレイな唐辛子やさんですねぇ!
わあ、キレイな唐辛子やさんですねぇ!
「これはサルメリア(食肉製品屋)の看板イノシシですねぇ」「にしてもふてぶてしいツラしてますねぇ、カーニボン」
「これはサルメリア(食肉製品屋)の看板イノシシですねぇ」
「にしてもふてぶてしいツラしてますねぇ、カーニボン」
「お城のと似てますねぇ、カーニボン」「甲冑はたいていそんなもんでございますよぅ、ミヅーラさまぁ」
「お城のと似てますねぇ、カーニボン」
「甲冑はたいていそんなもんでございますよぅ、ミヅーラさまぁ」

「ミヅーラさま、次のご公務は『カンティーナにてヴィーノをお買い求めするかどうか迷う』となってございますぅ」てなワケで、カーニボ調べのカンティーナを訪問。「まずは穴ぐら見学をどうぞ」と店員に勧められ、独特なニオイと湿気の樽貯蔵庫を見学。何か感想を言わねば悪いと思い「そうとう古そうですね」とお愛想で言ってみると「はい、ン百年前の穴ぐらですから」とな。

穴ぐら自体は古いが間接照明を地面に埋め込んだりして現代的
穴ぐら自体は古いが間接照明を地面に埋め込んだりして現代的

接客のうまい若者が試飲のヴィーノを出しながら特徴を説明、しかしここで「モンテプルチアノーノ・ダブルッツォはありますかぁ?」と訊くミヅーラさまの大勘違いが発覚する。そもそもここへはカーニの好きな『モンテプルチアーノ・ダブルッツォ』の生産地を表敬訪問する意味があったのだ。

・・・きっと若者は呆れたに違いない。「ここモンテプルチアーノのヴィーノは『ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)』であって、『モンテプルチアーノ・ダブルッツォ(Montepulciano d'Abruzzo)』とはモノも地域もまっったく別物なんですよ」

勘違いして別の州に来てましたぁ
勘違いして別の州に来てましたぁ

すはっ!『ダブルッツォ(d'Abruzzo)』だけに、いつもお城で飲んでいるのはアブルッツォのヴィーノか!!

常々お気に入りでごっきゅんごっきゅんしているヴィーノ生産地と全く方向違いの場所に来ているのに今初めて気がついたミヅーラさま。

とは言え、ここトスカーナ州のモンテプルチアーノもヴィーノ名産地。若者より薦められた年のものをお城用にお買い求め。後にカーニボンに聞くと「ワタクシも出発後に気付いた次第でございますぅ」だと。気づいた時点で教えておくれ家臣よ。

冬のチラホラ街灯がつき始める時間もいとをかし
冬のチラホラ街灯がつき始める時間もいとをかし

陽がとっぷり暮れ、コロナ隊はそろそろお夕食が気になる時間に。

「とは言えカーニボン、ワタクシはお昼が遅かったためあまりお腹が減ってございません」
「それではアンティパスト・ミスト(前菜盛り合わせ)などをいただけるバールでヴィーノを楽しむというのはいかがでしょう」

一軒のバールに潜入し、「アンティパスト・ミストはございますかぁ」と尋ねると、女店主が「モチロン!」。数分後登場するは、まな板に乗っかった見事なアンティパストたち!ブルスケッタをもっさもっさしながらヴィーノをごっきゅんごっきゅん。「残った分はお持ち帰りできますか?」の問いに「モチロン!」と、お持ち帰り用を丁寧に包んでいただく。

カーニボン憧れのまな板に乗っかったアンティパスト・ミストたち!
カーニボン憧れのまな板に乗っかったアンティパスト・ミストたち!

急こう配のほぼてっぺんにあるお宿に這って帰る。お部屋にてビッラと先ほど持ち帰ったアンティパストで再びかんぱーい!!・・・と、言ってる間に眠りの神が降りてきた。可愛らしい装飾のお部屋で、その日はパッタリと眠りに落ちたのだった。スピー・・・スピー・・・。