VIAGGI

Trentino-Alto AdigeDicembre 2017

ごっきゅーーん!

快適な寝床のおかげで時差ボケに悩まされることなく、クールミントガム並みに冴えた朝を迎える。

「カーニボン、腹が減って幻覚が見えそうです~」
「ミヅーラさまはカネを数えてるとき以外、いつもそうおっしゃる」

てんで、徒歩20秒のミュンヘン中央駅まで朝ごパンをいただきにあがりましょう。中央駅は地下街も含め相当広いと判明、そしてそこかしこに点在するパン屋さんはイタリアとは違いおかずパンが充実しているもようであった。

「ワタクシどもに潤沢な資金があれば・・・」「ミヅーラさまたち、貧乏くそうございますよぉ」
「ワタクシどもに潤沢な資金があれば・・・」
「ミヅーラさまたち、貧乏くそうございますよぉ」

前の人の注文方法をマネて、二の腕引き締め器具エアロバーと見間違うほど長いヴルストのホットドッグをお買い求め。そして「さすがに朝からはねぇ」と牽制しあうも、ホップの同胞が結構いたためコロナ隊もそれにならう。

喰いかけのモーニングセットその1
喰いかけのモーニングセットその1

さて、ここミュンヘンからはドイツ鉄道でオーストリアとイタリア国境にあるアルプスを越え、本日の宿泊地キウーザへ向かうというおしながき。ミュンヘンとの別れを惜しみつつ予約しておいた列車に乗り込むと、ご陽気なドイツ人たちが箱ごと瓶ビッラを運び込んでいる!朝っぱらからそれ全部車内で消費するのか?!さすがホップの民たち!!

思ったほど銀世界でもないアルプスとモーニングセットその2
思ったほど銀世界でもないアルプスとモーニングセットその2

3時間半ほどで国際列車の停車駅に到着。一駅先のお宿へ向かう前に、ここのメルカティーノも訪問してみましょう。

ちなみにこのエリアは南チロルと呼ばれ、国としてはイタリアだが伊語と独語が運命共同体で併記されている。ここブレッサノネ(Bressanone)もブリクセン(Brixen)というドイツ名があり、本日の宿泊地キウーザ(Chiusa)もクラウゼン(Klausen)という別名があるバイリンガル地域なのだ。

到着~!賑わっててワクワクしますぅ
到着~!賑わっててワクワクしますぅ
「チロルな方と隊員犬さん、ようこそヒヒン~」「おや、カーニボンのヴェネツィア帽がチロル帽に?」
「チロルな方と隊員犬さん、ようこそヒヒン~」
「おや、カーニのヴェネツィア帽がチロル帽に?」

ドゥオモ広場で開かれたメルカティーノは、イタリアの祝日とあって人がわんさか。喰いもん屋台にも近づけぬ~。結局飲み食いすることなく雰囲気だけ味わってキウーザ行きの列車に乗ったのだった。

キウーザ到着~チロルな駅舎ですなぁ
キウーザ到着~チロルな駅舎ですなぁ

お宿で少し休んだのち、ここから鉄道で30分ほどのボルツァーノへ~。

実は今回の行脚はボルツァーノのメルカティーノ訪問が最大の目的であった。12月のこの催しのために3月からお宿を探すもほぼ満室なだけあって街は盛り上がり、楽しそうな人たちでごったがえし、そして秀吉の茶室並みにキラキラしていた。

グリューヴァインで暖まりましょう~(陶器のカップは要デポジット)
グリューヴァインで暖まりましょう~(陶器のカップは要デポジット)
これだけデカいと飾り付けも手間ですなぁ
これだけデカいと飾り付けも手間ですなぁ
シュトーレンが並んでるあたりドイツっぽい
シュトーレンが並んでるあたりドイツっぽい
バルコニーにはチロル帽音楽隊が!「ワタクシとお揃いでございますぅ」
バルコニーにはチロル帽音楽隊が!
「ワタクシとお揃いでございますぅ」

「カーニボン、腹が減って拾い食いしそうです~」
「ミヅーラさまは実際拾い食いしてるとき以外、いつもそうおっしゃる」

てんで、キウーザに戻りお食事どころを探すも、小さな街ゆえ数が少なくどこも満杯。しんしんと降る雪の中さまよい、「致し方ないですね」と入った軽食やさんは意外にも奥にリストランテがあった。

「腹をすかせている旅のかんむりと羽です。名物を喰わせてくださいなぁ」と丁重にお願いすると、「飲まず食わずでここまで来たのは見てわかります。ささ、貧乏くさいですからあの汚れた席へ」と親切に案内される。

まずはビッラでかんぱーい!ごっきゅんごっきゅん、ピヒャ~!ンマい!

・・・しかし最初のイモが運ばれた時点でなぜかミヅーラさまは急激な満腹感に襲われる。もしやメルカティーノで喰ったプレッツェルとこのビッラが胃の中で謀反を起こしているのか?!これが世にいう麦スカッシュ連邦の乱(2017)か?!

これらが並ばれた時グロッキーさは頂点に達する
これらが並ばれた時グロッキーさは頂点に達する

「ミヅーラさまぁ、食さないのですかぁ。ではワタクシが」

着々と炭水化物をかっこむチロル家臣だったが、勢いで頼んだ豚グリルが運ばれるとさすがに目が点になる。デ、デカい・・・。しかもナイフがブッ刺さってる・・・。もうギブアップ宣言するしかなかった。「お持ち帰りできますか・・・」

ワタクシの栄養ドリンクでありますところのビッラもほとんど残し、口から魂が抜け出るのを押さえつつ宿路につく。だがフロに入って落ち着くと麦スカッシュ連邦の乱はいつの間にか鎮圧されていた。

使い捨てナイフとフォークまでつけてくれた豚グリル弁当を独りもそもそつまみながら2日目の夜は更けていった。

「サイズはカラオケのタッチパネルくらいござんすよぉ」「それで殴らないでくださいましねぇ」
「サイズはカラオケのタッチパネルくらいござんすよぉ」
「それで殴らないでくださいましねぇ」