VIAGGI
シャ~~!!
半日の上海行脚を終え、ミラノへ飛び立つべく浦東空港を真夜中1時に離陸し深夜のドリンクサービス・機内食ミッションを遂行。約13時間のフライトを経て朝8時にマルペンサ空港へ到着した。寝不足の状態で1日が始まる時刻に脳とカラダを合わせることになる。
本日は空港からリムジンバスでミラノ中央駅→2時間かけジェノヴァ→更に1時間費やしヴァラッツェというロンプラ先生(倹約旅行者の指南書:Lonely Planet)にも未掲載のマイナーリゾート地へ向かうお品書き。
なぜにこのマイナーな街かというと、翌日レンタトロッコを借りるお隣のサヴォーナでのお宿が見つからなかったため。サヴォーナまで鉄道で10分程度の比較的安価な宿がヒットしたヴァラッツェで宿泊とあいなったワケだ。
そんな説明をしてるうちにコロナ隊は中央駅から出発するジェノヴァ行きの列車内にいた。時刻はもう正午近く、昼食に駅で買ったオヤジビッラとパニーノを、車窓に広がる平坦な風景を眺めつつもっさもっさ中である。
「カルチョーフィのパニーノはぁ、日本では珍ひいでふねぇ、カーニボン~」
「ミヅーラはまぁ、食べるか喋るかどっちかになはいまへぇ~」
雨が降る気配などみじんも感じられない、これからの旅を期待できるいいお天気。
山間を走行するため長いトンネルをいくつも抜け、ジェノヴァはプリンチペ駅へ到着。短時間の乗り換え後、本日の最終目的地ヴァラッツェに着くころには午後2時をまわっていた。
「予約のかんむり女王と羽家臣です~。お部屋を貸してくださいなぁ」と行儀よく挨拶すると、「ささ、小人のお二人には一番小さなお部屋をご用意しておりますよ」と丁寧に案内される。不思議と時差ボケもないため荷物を置いて探索開始!
海岸線には整備されたプロムナードがあり、浜には海水浴客の有料のお着替え小屋がひしめきあい、その先にデッキチェアがずらりと並べられてある。まだ時期的に早く、日焼けにいそしむ人はまばらだったが、気温の割に直射日光は刺すように強烈。小さな街はシエスタで閑散としているため、明日レンタトロッコをお借りするサヴォーナへちょっと行ってみましょうということに。
サヴォーナは書籍はもとよりインター熱湯の口コミですらあまり紹介がない街だが、個人のブログからの貴重な情報によると、トリノのようなポルティコ(柱廊)商店街があり、なかなか都会な港街のよう。列車もヴァラッツェから頻繁に出ているようだ。
列車に揺られること10分ほど。
妙に近代オフィスっぽい駅を降り立ち、15分も歩くと海岸線のこれまたキレイなプロムナードにブチ当たる。ここから見渡すリグーリア海は太陽の照り返しでギラギラ!海岸沿いの公園にはジョギングや犬の散歩、日光浴など、夕方の海辺を楽しんでいる人々の姿。うらやましいですなぁ、こんな日常。
「で、肝心のポルティコ商店街はどこでしょうかねぇ、カーニボン」
「きっとあの辺でございますよぅ、ミヅーラさまぁ」
半信半疑で家臣について行くと小ぶりのポルティコが出現!「イタリアの街の目抜き通りはたいてい定番の名前なので、それを目指したワケでございます」とな。さすが我が優秀な家臣カーニボン!
「こんな暑い日は水分補給をこまめにね」とワタクシはビッラをごっきゅんごっきゅん。カーニボンは、インター熱湯でご紹介のお店でジェラートをお買い求め。「ンマいジェラテリアには蓋がしてある」という聡明なコメント通りンマかったらしい。
今度はここに宿を決め、街全体を歩いてお買い物や食前酒なんぞも楽しみたいですねぇと話し合ったかどうかは忘れたが、若干後ろ髪を引かれる思いでサヴォーナに一旦別れを告げたのであった。
あ~さてさて。
ヴァラッツェに戻ると、羽の家臣がソワソワし始めた。「ミヅーラさまぁ、そろそろ本日のお食事処を決めてしまわねばぁ」
小さな路地を入った辺りでお店探索開始。近年大活躍のあいふぉんでリストランテの口コミを検索したところ、雰囲気・お値段・評価ともにミヅシュランの規格を満たしたお店を発見~!
「女王と家臣の2名でございますぅ」とお行儀よく告げると、「いらっしゃいませ、海辺のリストランテは高いからですね。何も言わなくてもわかっておりますとも」と気持ちよく席に案内される。
まずヴィーノのお薦めを聞いたらば、『Riviera Ligure di Ponente』なる白のDOCとな。街の食堂風情であるのに、まずテイスティングから始まるところがすばらしい。海の幸盛り合わせやヴォンゴレ・ビアンコ、カーニボンの頼んだプッタネスカ(安あがりな材料から『娼婦風』という意味のパスタ)にも合って飲みやすく、テンションも上がってもう1本開けてしまいそうな勢いでございました。
あ~喰った喰った。膨らんだ腹をかかえつつ狭い路地を通り宿へ戻る。明日はいよいよレンタトロッコでモナコはモンテカルロ市街地コースへ殴り込み!ドキドキワクワクをひとまず置いといて、32時間ぶりの寝床でスピ~と眠りに落ちた。