VIAGGI
プローストォ~!
昨日の惣菜宴会と快眠のおかげで翌朝はだいぶ体調が回復していた。家臣がスピ~スピ~と羽を震わせ寝息を立てる中、昨日の残りの肉にむしゃぶりつき飢えをしのぐ。
「カーニボーン、腹が減ってケチになりそうですよぉ」
「ミヅーラさまはいつもそうおっしゃる。そして年中ケチでございますぅ」
てなワケで、散歩がてら朝ごパンをいただきに参りましょか。
近所のモダンなバールに潜入し、チョココルネをもっさもっさしイタリアを感じる。
さて、お名残おしいが快適な部屋を10時にチェックアウトし、いよいよメルカティーノ会場へ。小雨まじりの初日の朝とあってまだ客はまばらだが、既にグリューヴァイン(温ぶどう酒)や試食のサラーメ、フォルマッジョを楽しんでいる人びとが。
はちみつ、チョコなどの特産物や、オーナメント、キャンドルなど目にも楽しい店を回り、息子が日本ヲタクというオヤジの店で『サラーメ用まな板』をお買い求め~。
「カーニボン、のどが渇きましたぁ」
「命の危険があってはなりません!水分補給いたしましょう!」
地ビッラをごっきゅんごっきゅん!ピヒャ~~ァ!イタリア上陸後、ミヅーラさまにとって初アルコホールは小雨の中なれどすがすがしくてンマい!
さてさて、メルカティーノも堪能したし、出発まで街をカッポしましょうかぁ。
カッコいいマダムが店を切り盛りする紳士服屋さんでカーニボンのマフラーをお買い上げ~。
「これで一生奉公するのですよ、カーニボン(偉)」
「ミヅサンタさまぁ、ありがとうございますぅ(嬉)」
「そしてワタクシへの返礼は・・・(歓)」
「そらそうと、あちらにもメルカティーノ別会場が(塩)」
街をカッポしているとイタリアでも人気のフライングタイガー発見。去年買った液体洗剤入れは液体が漏れるという致命的な欠陥商品であったとつぶやきスルーする。
昼になり、簡単なものでも腹に入れましょうというワタクシに家臣が提案。
「昨日のバールはいかがでしょう。ビッラにはミニパニーニがついてまいりますよぉ」
この店はトイレまでキレイで、休憩するには最適のミヅシュラン3ツ星。今日はありつけた生ビッラでかんぱ~い!パニーニもンマ~い!
さて、1時間ちょいの列車の旅で次の宿泊地・ブレッサノーネに向かいましょか。
イタリア語でBressanone、ドイツ語でBrixenと、二か国語表記のバイリンガル地区のここも、ドゥオーモ広場でメルカティーノ・ディ・ナターレが開催されている。
駅から離れたブレッサノーネ中心部への道すがら「やや!ステキなものが」と家臣。最近ハマっている某国営放送「旅するドイツ語」で紹介されていたような、「飲用」と数か国語で表記されている水飲み場が目の前に!
ミュンヘンの水道もアルプスが水源とのこと。こんな麓ならばアルプス天然水に相違ないとガブガブいただく(ゲフ~)。
さて、本日のお宿もアパートメントで、鍵の受け渡しと精算を終えると宿主がおさらばするタイプ。外のインターホンで「予約しているかんむりと羽ですぅ」と呼びかけると、「〒@×Ψ~」との返事と共に解錠音が。
中で待つも暫く現れず再びインターホンで接触を試みると、ゼエゼエ言いながらご本人登場!なんとインターホンと彼のスマホがつながっており、会話しながらチャリを飛ばしてきたもよう。ビバ!スマート家電!
先ほどから「〒@×Ψ~」としか届かない彼の言葉は直接聞いても「〒@×Ψ~」だったが、『ブリクセンカード』なる魔法のカードの説明をしてくれ、今から行くボルツァーノへの鉄道も無料とのこと!暖かいお部屋で少し休んだあと、昨年もおジャマした、列車で30分ほどのボルツァーノへ。
陽が暮れたイタリア最大のメルカティーノ会場はすでに大賑わい。青空の下もいいが、夜は屋台の灯りでよりナターレ感が増していい。
「カーニボン、わかっていますね?」
「はいぃ、アレを探すのですね、ミヅーラさま?」
そう!毎年同じ日めくりカレンダーをゲットするのだが、今年は捜索が難航!本屋を訊き回りようやく6軒目、せいぜい€3ほどのものが、台座がついて€10に跳ね上がっている(泣)。
「これで来年を迎えられますねぇ、カーニボン(疲)」
「ワタクシも粛清されずに済みますぅ、ミヅーラさまぁ(汗)」
家臣が小バエのように何か喰わせろとうるさいので、メルカティーノの賑わいを愛でつつビッラでかんぱーい!ごっきゅんごっきゅん、ピヒャ~~ァ!家臣がハエでもビッラはンマい!
ああ、メルカティーノ行脚も今年で一旦終わりですねぇ、さみしいですねぇ、カーニボン。
「わかっております、行き倒れそうなのですね、ミヅーラさま?」
「はて、まだ何も言っておりませんよ、カーニボン」
ブレッサノーネに戻ったところで、かんむりからの空腹SOSを羽が即座に受信、お食事どころを探すことに。が、夜の7時でメルカティーノはほぼ閉店、それどころか街自体閑散としている!ドイツに近い地域は土曜の夜早々に店じまいするのだろうか?!
「切り売りピッツァぐらいですかねぇ」と諦めかけたその時、日本&タイ料理屋さん発見!久々にアジア料理に挑戦するのもアリですなぁ。
「飢えたかんむりと羽ですぅ。何かホッカホカなもん喰わせてくださいなぁ」
「どこも閉店で泣きついてきたのはその様子でよくわかります。ささ、貧乏くさいですからとっとと中へ」
と中国人店主に温かく迎えられる。
タイ料理屋と言えどスタッフが中国人なため、ここのナシゴレンはゴリゴリの炒飯であった。春雨を野菜や海鮮で炒めた料理と共にビッラで流し込む。多国籍料理だろうが間違いないンマさ!
決して広くはない店内はイタリア人客で大賑わい。店主と気軽に会話し、慣れた様子で奥へ入る客が後を絶たないところを見ると、人気店のようである。
2杯目のビッラを上機嫌でいただきながら、早いもので明日はもう最終宿泊地のミュンヘンですなぁとしんみりする。さすがに3泊6日は短すぎますねぇと話し合ったかどうかは忘れたが、灯りのまばらな宿路をトボトボ帰った。