「春の行脚はハノイにします！」女王が突然高らかに宣言し、家臣の「ンマいものが頂けるならお供しますぅ」は毎回のコピペだが、航空券を予約する直前で女王が再び「やはり台南にします！」と宣言を覆した。

ハノイ情報を集めるにつれ、潔癖女王には衛生面の懸念が多すぎたからだ。加えて、直前で安い台湾行き航空券が浮上する。一瞬息を飲む家臣だが「ンマいものが（以下略）」と頷き、肌寒い4月上旬の早朝関空へ向かった。

今回の航空便はタイガーエア。コロナ隊には珍しい3泊4日のゆったり行脚なりよ。

• 04/07 関空 08:55 -- 10:50 桃園
• 04/10 桃園 14:35 -- 那覇 19:40 -- 21:45 関空

昨今は自動化ゲートでパスポートに出入国証印は不要となったが、申し出れば押してもらえる。今回からスタンプ集めを復活させたミヅーラさまはホクホク顔でパスポートを受け取る。

朝9時前の離陸でエアサイドのコンビニは諦めていたものの、もう開店して賑わっていた。外国人観光客がほとんどで、大福やおにぎりを手に取っている。保安検査後に安い人気商品を買えるコンビニ、他国も導入あれ。

LCCゆえ機内は前方の有料席を除いてほぼ満席なりよ。アジアでもレガシーキャリアに乗れる財力がほしい。

韓国からの便が重なったのか、入国審査はキムチの民で大混雑！予定の台南行き新幹線に間に合うか・・・。

入国審査を抜け、泥のついたナケナシの1万5千円を両替。あとはここでAIR SIMの受け取りをば。オプション販売アプリKKDAYで購入したソレは5日で800円程度、しかも捷運ジエユン（地下鉄）片道切符つき。

あいや、ついでにこのAIR SIMについても触れておこうか。
通常は訪問国ごとに買うSIMを、物理的なSIMはそのままにアプリで国を切り替え、1日単位で購入できるSIMである。eSIM非対応機種の貧乏人はこれを利用することとする（ちなみに家臣はeSIMである）。

今回は空港宴会の時間もない。受け取ったら急げ急げ～

台北の南港ナンガン～高雄の左營ズオインを結ぶ台湾新幹線、いわゆる高鐵ガオティエの桃園駅で切符の引き換えをば。

予約したのは同一行程の2名分を購入すると1名無料になる外国人向けキャンペーン切符。先述のKKDAYで購入＆引き換えコードをゲット、高鐵の管理ページで別途席を予約する手順。

両社のデータ連携にタイムラグがあるのか、なかなかコードが認識されずちゃぶ台をひっくり返しそうになるも、なんとか予約完了。本来有料の指定券も含んでいる有難いキャンペーンなり。

時間の見積もりが甘く、駅に到着した頃には我々の台南行は余裕で出発していた。後続の自由席に乗ればいいのだが、これは今回の呪われた乗り物運の序章に過ぎない。

インフォメーションの小姐にKKDAYで購入し乗り過ごした旨を伝えると、親切にも切符売り場に連携してくれた。予定より40分遅れで乗車完了。

あいや、高鐵についても触れておこうか。

2007年運行開始の高鐵は当初、軌道や客車を欧州製で設計していたが、ドイツ脱線事故や台湾大地震の発生で、自然災害に対する新幹線技術が再評価され日本連合も参加、700系の車両が台湾を走るに至る。日台合作ドラマ『路』はこれを物語とする。

行きの機内で会った台湾のおっちゃんも、我々が高鐵に乗ると告げると「日本の鉄道～」と嬉しそうに頷いていた。

高鐵の駅は郊外が多い。在来線は衝撃の40分後とな！仕方なく当日の高鐵切符提示で無料の路線バスに乗り込む。

なぜ仕方なくなのかは、バスはお宿近くを通らないからだ。林百貨店付近で降りて観光しながら行こか。

何も買わずお次は旧台南州庁をリノベした台湾文学館へ走吧！

交通系YouTuberスーツ氏の動画を見てやってみたかったのがコレ。自身の出版したい本について記入しポストに入れると壁に反映されるというもの。

街中を堪能し、チェックインするころには夕方5時を回っていた。
今日明日と2日間お世話になるYOSHI HOTELは、1階にレセプションのあるコーヒーをコンセプトとした感じのお宿。

シャワーの仕切りがなくトイレと一体型だが、隅々まで清潔で不思議と不快感がない。小休止のあと、観光がてらメシを喰いに走吧！

台南は地下鉄がなく、バスが縦横無尽に走る。駅前の複数ある乗り場から路線がアホほどあって一体どこから乗るのやら。ここは家臣の羽GPSに任せることとする。

バスと徒歩で目的地・神農街シェンノンジエに到着～
神農街は提灯がぶら下がった、リノベカフェや雑貨屋、懐古趣味繋がりか駄菓子屋などが目立つ横丁である。

腹減った～てんで、メシを喰らいに大東夜市へ走吧！
この日は金曜で台南最大の花園夜市はお休み。台北と違って空地で開催される曜日制なんですな。

なんせ凄い人で落ち着かん。少し歩いた先のバス停から駅前の宿へ帰る。
途中コンビニでチルド惣菜とビールをお買い求め。台湾のコンビニはこんなものでも袋を開けてチンしてくれるのがありがたい。しかも持ち手が熱くないようにナプキンをかます配慮あり。

明日は今回のメイン、烏山頭ダムに行くので体力をつけておかねば。スピースピー。