VIAGGI
ギャフーン!
4年の沈黙を経て遂にイタリア行脚当日を迎えたコロオリ隊。
今回はキャセイ航空で香港経由、ミラノ・マルペンサ空港INし、マントヴァという街やらピアチェンツァてな街やら、そして前回訪れいたく気に入ったパルマなんぞにも行くというおしながき。
深夜乗り換えたミラノ行きの機内で胃痛が発生し、薬を所望するとキャビンクルーに囲まれエラい騒ぎになった珍事はあれど、早朝のミラノはマルペンサ空港へ無事上陸~。
1時間ほどで到着したミラノ中央駅からすぐに鉄道でマントヴァへ移動予定だったが、4年ぶりのイタリアで勝手が悪く、2時間後の列車に乗るハメに。 本日のお宿は正午に昼休みに入ると伝えられていたので、午前中のチェックインはムリそうですなぁ。
「そらそうとカーニボン、腹が減ってゴマつぶ目になりそうですよぅ」
「ミヅーラさまはいつもそうおっしゃる。そしていつもゴマつぶ目でございますぅ」
ってんで、スペルメルカートのパニーノをもっさもっさしたあと、マントヴァ行き列車に乗り込む。
駅から徒歩15分ほどのチェントロにお宿はあった。不在だろうが一応呼び鈴を鳴らすと「ガチャ」とロック解除の音!表門から入ると2階の事務所からマダムが愛想よく迎えてくれた!待っててくれたんですな!
客に鍵を渡して宿主が帰ってしまうのはイタリアのお宿あるある。コツのいる解錠の練習に女主人は長々と付き合ってくれ、説明が終わるとその間待たされていたご主人と娘と共に仲良く帰って行った。ささ、身軽になったコロナ隊も街へ繰り出しましょう~!
「カーニボン、腹が(以下略)」
「ミヅーラさ(以下略)」
てんで、外にテーブルが出された切り売りピッツァ屋さんで、まずはカラダ健やか茶(ビッラ)をごっきゅんごっきゅん。ピピャァ~!冬でもカラダ健やか茶はンマい!
カーニの好きなサルシッチャ(ソーセージ)のピッツァは、ミンチっぽいグニグニした食感と高血圧の人にはお勧めできない塩味が美味しゅうございましたぁ。
さあさ、腹が満たされたところで街をカッポしましょう。
クリスマス市場(メルカティーニ・ディ・ナターレ:mercatini di natale)の時期にはまだ少し早かったが、マントヴァ物産市やガラクタ市、ポルティコ下の立ち飲み屋など、日曜の街は意外に人で溢れかえっとる。
ミヅーラさまが滞在先を決める基準の一つに「ポルティコがあること」がある。ポルティコとは建物の1階部分の柱廊のことで、店やバールが入るこれをカッポするのが大好きである。
「カーニボン、大振りでないにしろポルティコがそこかしこに(嬉)」
「ミヅーラさまぁ、お鼻血がお垂れになっておりますよぅ(焦)」
冬のイタリア、あっちゅう間に陽が暮れてしまった。
広場の一角にあるバールのテーブル席で食前酒なんぞいただきましょう。ペルージャで出逢ったプロシュット巻き食パンをおつまみに、4年前アレッツォで初めて知ったアペロールスプリッツをごっきゅんごっきゅん。暖房の効いた暖かい部屋の方が快適なハズなのに外で呑むこの欧州感がステキ。
「ミヅーラさまは酔っぱらってるとき以外いつもそうおっしゃる」
「はて、まだ何も言ってませんよ、カーニボンや」
かんむりから発せられた信号を家臣の羽が受信したのかは知らんが、昼間に散策の途中ツバをつけておいたリストランテでそろそろお夕食といたしましょうか。しかし、ああしかし!昼間は開いていたその店が閉まっている!
「ミ、ミヅーラさま、羽GPSで他を探しましょう(汗)」
「そ、そうですね、リストランテなんぞ星の数ほどありましょうとも(脇汗)」
結局、モダンすぎて候補から外していた、宿でもらった10%OFFクーポンの店にトボトボ潜入。
「どこのリストランテからも門前払いされたのはその風貌から察しがつきます。ささ、みっともないので中へお入りなさい」と給仕の方から温かい言葉をいただき、奥の部屋へと通されると、そこには『別のニホンジン』さんがいた。
あいや、『別のニホンジン』さんの説明がまだであったな。
それは遡ること2か月前。航空券も用意できたし、初日だけでもお宿予約しましょかと、泥酔状態でWeb予約完了。
月日は流れ出発1週間前のある日。
「カーニボン、初日のお宿はなんという名前でしたっけ」
「はて、ミヅーラさまへ確認メールが飛んでいるのでは」
「いやいや、予約フォームを入力してたのはカーニボンですよ」
モンゴル相撲並みの取っ組み合いのあと、予約サイトに問い合わせるも予約番号なしでは調べがつかないらしい。予約した宿がわからない状態で、新たに別を予約するとキャンセル料が満額取られるため、候補10軒ほどのお宿に直接メールで問い合わせる最終手段に出たのであった。
どのお宿も予約は受けてないとの返信で、「泥酔して予約したつもりになっていた」説が濃厚だったが、1軒だけ「ニホンジンの予約があるが、別の予約サイトから別の名前で」という不思議な返信が。それが今回のこのお宿だった。「同じ日にニホンジンが2組も」と後に宿のマダムは驚いていたが、偶然にもリストランテでバッタリ遭遇。
マダムを介してその話は伝わっていたようで、お互い「もしや『別のニホンジン』さんでは」とごあいさつ。現在米国在住のご夫婦で、ここへは奥方同伴の出張で来られたらしい。羨ましくてヨダレが出ることイグアスの滝のごとし。
お互いの旅話に花を咲かせていると待望のお食事到着。いただきま~す!
ヴィーノも1本空けて、ゲフー喰った喰った。てんで、10%OFF券をすっかり忘れ、少し微妙な気分で数メートル先のお宿へ戻ったコロナ隊であった。